PANDEMONIUM/大混乱!?の現場から

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2005年 05月 24日

パンデミックは現場主義

パンデミックは現場主義_c0001419_103953.jpg


その現場から戻りましたら、あらためてエントリーさせていただきます。
>ようやっと戻りました。耐火被覆を浴びているので全身チクチクしています。(苦笑)

ここだけの話、デザインの扉を開く鍵は現場に落ちていると僕は信じている。
もちろん日々の情報収集も当然大切だし、こうして世界をぐるりと巡れる便利な世の中だから、見聞を広める旅に出でるのもとっても有益である。

ただそれらの経験の集積を開放するきっかけはやはり現場にしかないと思う。僕はペーパーアーキテクトではないからどんな仕事でもまず現場がある。計画段階から何度も足を運び、様々な角度から検証し、要求される諸条件を頭の中にインプットしていく。デザインはアウトプットな行為であるから自分に対しての様々な入力キーが必要である。



今日現場であらためて思ったことがある。
こんなことをブログで書いてしまうとこれからのパンデミックの仕事のあり方に少し弊害が出てくるかもしれない。それでも、書かずにはいられない。

僕は「相見積り」という仕事の行為が好きではない。
何を言いたいのかというと、僕は図面を描いているときに、たとえば大工仕事の部分を書いているときは現場に携わる大工さんの手元を思い浮かべて図面を描きたいし、照明器具のプロットをしているときには電気工事の人たちを思いながら図面を描きたいと思っている。

そう、僕らの設計図は職人さんへの恋文みたいなもんです。(かなり演出過剰で大袈裟です。)現実はそう甘くはないが、それぐらいの気概で仕事にのぞみたいと思っている。住宅ではなかなか難しいが、店舗デザインにおいては余程のことがない限り僕は相見積もりをとらない。

その代わり、現場に出入りする人間に対しては厳しく監理する。
大切な大切な僕らの現場への思いを共有していない人間をみつけ、あらためて職人としての自覚とパフォーマンスを引出してもらうためだ。毎日毎日朝と夕に現場に顔を出せば誰が来ているのか、何をしていたのかは大抵分かる。どんな気持ちで部分に触れていたのかも分かる。

僕らはあくまでもデザイン・計画を担当する一職人であり、現場には僕らにできない技術を習得した職人たちが集まってくる。昨日今日と西麻布の現場は異様な熱気に包まれている。「いいものが生まれる胎動を感じる」
これまたここだけの話、この現場非常に予算の制約が厳しい。それでも現場は楽しく夢と未来と希望を感じる。何故だろう・・・

なんてね。
実は僕なりに確信は得ています。
お金もとっても大事だけど、やっぱりみんなのハートが大事なんですよ。
いい職人たちに囲まれての現場。僕は楽しくてしょうがない!

本音をいえば、「たくさんの人達の為に、少数の精鋭な人達と仕事がしたいだけなんだ。」なかなかうまくいかないんですけどね。

by pandemic | 2005-05-24 10:02 | design-store


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